木矢板を2枚重ねしたら倍の厚みと同等になる?
例えば、30mmの木矢板を2枚重ねて使えば、60mmの厚みの木矢板と同等になるのでしょうか?
現場でよくある質問なので考えてみましょう。
木矢板の断面係数を算出します。
・厚み60mmの木矢板の場合
断面係数=b×h2/6=(100cm×(6cm)²)/6=600cm³ 600cm3
・厚み30mmの木矢板2枚重ねの場合
断面係数=(b×h2/6)×2枚=(100cm×(6cm)²/6)/2=300cm³ 300cm3
よって、30mmの木矢板を2枚重ねても木矢板の断面係数は1/2となるので、60mmと同等にするには、4枚重ねにする必要があります。
実際に計算するときは横矢板材の種類等も選択する必要があります。 サンプル計算式を参考に理解してください。
【サンプル】
【計算条件】
親杭の種類 H350
杭ピッチ 1.5m
横矢板材料 べいまつ
許容曲げ応力度 σa= 13.5 N/mm²
許容せん断応力度 τa= 1.1 N/mm²
掘削深さ 1層目 2.0m
2層目 3.0m
最大土圧 1層目 11.50 kN/m
2層目 15.55 kN/m
検討結果
よって採用板圧は、t=30mm 及び t=35mm となる。
このように、横矢板を木材でしようしたり、敷き鉄板(t=22mm)や軽量矢板、鋼矢板等を使用する場合も断面計算用土圧の最大値を荷重とし、親杭のフランジ間隔をスパンとする単純梁として算出します。